クリスマスの夜も残り数時間まで ふたりは仕事を終われない
日本ではクリスチャンの数よりずっと多くの
シャンパンまたはワインが 消費される夜
閉店まぎわのパティスリーで残りわずかなケーキを買うのは
どんな気がする?
今年最後の月給も振り込まれるのだし
すこしぐらい贅沢したっていい プレゼントも買える
だけど いちばん買ってあげたいプレゼントではなくて
だから 待ち合わせの店までヒールのついたブーツで
駆けてゆく彼女は 遅れてごめんねと言う
そして 買えなかったあのプレゼントをまた思う彼の心に
白い雪が降りはじめる
聖夜を祝うなら 心の貧しさは思っても
時給の貧しさを思うべきではない
だって きみたちは今夜 愛しあうんだろ?
聴いてごらん いのちを言祝ぐ歌が流れている
これもラブソングだ
大好きだった 背の高い 音楽の先生は
音楽じゃ食えないぜと言った
女の子にはもてても 食えない
食えるアートをもったアーチスト以外はと言った
大好きな先生でも その言いかたは嫌いだ
先生 それは悲しすぎるブルースじゃないか?
「今夜スーパーマーケットで買物する恋人たちのブルース
〜 あるいは 樋口一葉の短すぎた生涯 〜」より
・・・という、フォークソングのようなものを書いたのは5年前。
ジョン・レノンの「 Happy Christmas 〜 War is over 」にせよ、
サイモン&ガーファンクルの「 7 o’clock News 〜 Silent Night 」にせよ、
この時季には、なんだか社会派なことを考えてしまうのは・・・
なぜだろう。
私もまだ、仕事してます。
夜勤、デリバリー、交通機関、飲食業。
この日も夜遅くまで働いているひと、多いですよね。