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一倉 宏

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2013/10/13 (日)
サリンジャーの遺言 2015

きょうの朝日新聞日曜版書評欄で紹介された
『サリンジャー 生涯91年の真実』
(ケネス・スラウェンスキー著・田中啓史訳・晶文社)。
数あるサリンジャー本のなかでも、これは決定版でしょう。
待ちに待った訳出。4830円という値付けの「強気」も納得しよう。
表紙写真をネットから外せないのも、サリンジャーらしい。

それよりも、なによりも。
遺言により、ほぼ半世紀未刊だったサリンジャーの「新作」が5作、
2015年に出版されることが最近発表されました。
信じられないようなニュース!
というより、書いてたんだ。ずっと。なんて意地悪で、素晴らしい!
あの頃の、高校生だった頃の自分に教えてあげたい。
サリンジャーさんは書いてるぞと。それが読めるんだぞと。
だから、60才になるまで長生きしろよと。

私の仕事歴で、なんとも短命で残念だった、コピーのひとつ。
PHSの会社、アステルのためのキャンペーンコピー。

 アステル畑でつかまえて。

けれど、そのときのキャンペーンソングが槇原敬之さんの『素直』でした。
そこに、そっとはめこんでもらった「隠れキーワード」が「さみしがりや」。
BEGIN の歌った「声のおまもり」につづいて。
ひとはみんな、さみしがりやだから、モバイルに頼るだろう、と考えて。
・・・ぼくら、ますます「さみしがりや」になっている時代。
   一日に数えきれないメールやSNSの発信を繰り返しながら。

名曲『素直』は、2010年、高崎卓馬のディレクションにより、
東北新幹線新青森開通「 MY FIRST AOMORI 」キャンペーン
前半期のCMソングとして復活、採用されました。
(後半期は、オリジナルの、これも名曲『林檎の花』です)
高崎くんは、このエピソード、知らなくて。
あのときは、私も驚いたものです。

それにしても、サリンジャー!
2年後がたのしみだ!