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一倉 宏

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2013/02/22 (金)
ものと ひとの あわい

 たとえば ある もの にどうしようもなく
 その ひと 自身を感じることがある
 脱ぎ捨てられた衣服 ものの置き方 使われ方 食卓や机の上に
 そのひとの かたち がある におい がある
 日常生活のほんのひとこま ちいさなエピソードにおいてさえ
 私たちはそれを間違えようがない

 ならば ここにある もの たちは まぎれもなく 
 そのひと そのもの ではないだろうか
 私はすでに ひと を もの と呼んでいる 混同している
 そこに あわいはない 不思議なことに 区別されない
 どれが ひと で どれが ものか さえ わからなくなってしまう
 だとすれば これは なんて幸福な写真集だろう

 (後略)

           泊昭雄写真集「アワイ~ mono to mono」 序文

topics にも紹介しましたが、泊さんの写真集と展覧のために。
このテキスト、単なる「挨拶文」ではなく、ほんとうにそう思うのです。

泊さんの雑誌「hinisim」や、写真集に「ことば」を添えられたのは
(副田さんのデザインをはさんで)人生の「出会い」と喜びます。

素晴らしいアーチスト群像とともに、私自身も撮っていただきました。
「ひと」と「もの」が混然となる、この写真集・・・

さて、泊さんが、私に感じた「もの」とは?