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一倉 宏

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2010/01/08 (金)
松あけて 〜 恋歌三首

松飾りをはずして、ふと思いました。
そういえば、何年も「百人一首」していません。

藤原定家撰「小倉百人一首」。
定家は、日本文芸史上最高の(象徴)詩人(のひとり)ですが。
「百人一首」が最高のアンソロジーかというと、そんなことない。
たぶん「初心者用手習い集」というものなんでしょう。

和歌(短歌)や俳句についても、ときどき触れていきます。

きょうは、私の好きな現代の相聞歌(恋歌)の秀歌三首。

 抱くとき髪に湿りののこりいて美しかりし野の雨を言う   岡井隆

これは、現代歌壇巨匠の名作。

ぐっと若返って・・・

 終バスのふたりは眠る紫の<降りますランプ>に取り囲まれて  穂村弘

穂村さんは、去年、宣伝会議コピーライター養成講座の特別講演でごいっしょ
しました。おもしろかった。エッセイ等でも注目されています。

もうひとつ。

 好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君  枡野浩一

枡野さんも大活躍、意欲的な新世代。何年か前、CMにも出てました。
彼とも座談会で話しましたが、なんと、元コピーライター(!)だそうです。