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一倉 宏

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2010/05/05 (水)
われに五月を 寺山修司忌

bk1001

 本日(4日)は
 寺山修司の命日。
 『われに五月を』という
 第一作品集のタイトルの
 ・・・その五月に。
 (写真は追悼復刻版)

私が10代の頃、最もポピュラーで、かつ先鋭的なクリエーター、
アジテーターは、まぎれもなく寺山だったと思います。

高校時代に俳句でデビュー、つづいて前衛短歌の旗手。
そしてもちろん詩人であり、演劇、映画、評論、エッセイ、作詞の作品群。
TV番組のコメンテーター、CMの出演も。

寺山の時代といまとの最大の違いは何でしょう。
ひとことでいうなら「くらさ(暗さ、昏さ)」についての時代感覚。
あの頃、若いということが「くらい」のは自明のことでした。

さて、いつから逆転がはじまったのか?
若さが「あかるく」なければならないなんて、生きづらい時代へ?

「ネクラ」ということばが発明されて。
・・・そのタモリ氏はよく寺山のモノマネをしていたのに。
http://www.youtube.com/watch?v=RUv9FVV1yJc&feature=related

広告制作の現場でも「くらい」という理由でNGが出たり
とにかく「あかるく」といわれはじめたのも「その頃」です。

 とびやすき葡萄の汁で汚すなかれ虐げられし少年の詩を

                『われに五月を』より