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一倉 宏

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2010/05/28 (金)
ダニーボーイからの返信

ジャズ等のスタンダードとして知られた『ダニーボーイ』の歌詞は
「戦場にいる息子に宛てた親の気持ち」でした。
私はこの詞にある戦争への「無言の肯定」が気に入りません。
この美しいメロディにのせた「ものわかりよすぎる」ことばたちを。
戦場に送るほんとうの親の気持ちは、こうだろうか?
この美しすぎる詞を書いているのは、じつは「国家」ではないのか?

 ダニーボーイ(ジェイド・イン)

その、息子からの(妻や恋人に宛てた)返信というかたちで
もうひとつの日本語詞をつくってみました。

・・・イランやアフガニスタンの最前線にたつ兵士たちの多くは
私のこどもよりも若いのです。

 ダニーボーイからの返信

 またきょうも 遥かに思う
 砂漠の 月のもとで
 こころとは 鏡のようだ
 あなたに 僕が映る
 約束しよう いま生きて
 帰れる船に乗ろう
 ありがとう そのやさしさと
 あたたかい そのことばよ

 見上げれば 夜空の星に
 終わりは あるだろうか
 また会える いのちの他に
 祈りは あるだろうか
 このいまも 戦(いくさ)のために
 壊れる こころがある
 誰もみな 奪いたくない
 奪われて いいはずはない

いつか井上鑑さんに送って見てもらったら
「自分で歌いませんか」と誘われたのだけど・・・とてもとても!