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一倉 宏

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2010/08/05 (木)
昭和7年のキャンペーンソング

以前も採り上げた、詩人の大手拓次。
ライオン歯磨本舗小林商店(当時)広報部勤務の広告文案家。
彼が師と仰いだ北原白秋の作詞による
「歯磨き啓蒙活動」のためのキャンペーンソングが
LION さんのホームページで紹介されています。
(だから、問題ないと思うので引用。句読点、原文のママ)

 朝は子供に
           詞 北原白秋
          
   1
 朝は子供に呼びかける、呼びかける。
  みがけ、すずしい真珠の歯。
   ブラッシ、ブラッシ、ラッシッシッ。
 そしてお早やうと駈けてゆく、
 風も草の葉、ソラ、みがく。
 みがこ、この歯を、清い歯に。
   ブラッシ、ブラッシ、ラッシッシッ。

   2
 夜は子供に呼びかける、呼びかける。
  みがけ、かがやく真珠の歯。
   ブラッシ、ブラッシ、ラッシッシッ。
 そしておやすみ。すやすやと。
 月も硝子を、ソラ、みがく。
 みがこ、この歯を、白い歯に。
   ブラッシ、ブラッシ、ラッシッシッ。

「この歌は、単なる ” 一商店の宣伝歌 ” といふ意味でなく」
という注釈つきで、白秋は拓次の依頼に応じたといいます。
・・・でもこれ、CMソングとして充分に成立してるよなあ。 
大手拓次、草創期のコピーライターだったばかりでなく
なかなかのクリエイティブディレクターでもありました。

 LION 今昔モノ語り