blog ブログ

一倉 宏

Back Number
2010/09/30 (木)
去りゆく古書店

高円寺駅前の古書店「飛鳥書房」店頭に張り紙がありました。
・・・まもなく閉店するとの由。
70年代にはユニークな単行本の版元でもあった同店の
店主がぽつりと漏らすひとこと・・・を聞いたのは数年前。

古書店界で伝説的な大森「山王書房」の店主は
友人の音楽プロデューサー関口さんの父上と知ったのもごく最近。
荻原魚雷さんのエッセイでも紹介された、著書「昔日の客」。

 父の随筆集「昔日の客」の復刊が、間もなく実現することになりました。
 還暦を期して出版するはずでしたが、父は59歳でこの世を去り、
 翌年の1978年に出版された本です。いつしか30年余の歳月が流れ、
 僕が父の年を越えた頃、「昔日の客」の復刊を願うようになりました。
 すると、是非当社で復刊させて欲しいという一通の手紙が、この六月に
 届いたのです。夏葉社という出版社でした。

 http://natsuhasha.com/

 上記のブログに完成したばかりの本の写真もアップされました。
 是非、皆さんに読んで頂きたい一冊です。

写真を見ると、とてもよい造本のようです。
この復刊書は、近年増えている新世代の「古書店」の多くに
置かれる模様・・・なんか、ほっとする話だなあ。
去りゆくものがあり、思い出されるものがあり。