「星座早見表」というものが好きでした。
いまでは i-Pad の「Star Walk」というアプリが素晴らしい。
明るすぎる東京の夜空にも、この季節ならオリオンがはっきりと
シリウスの輝きも鮮やかです。
冬の夜空は、なんだか、ほっとする。
コピーの「ボツ原稿」のなかから、ひとつ。
履歴によれば、5回書き直したうちの、3稿め。
このタイトルで何とか書きたくて、試行錯誤しました。
書き直しの理由は「難解」ということだった、かな。
星空のアインシュタイン
Einstein in starlight
夜空を見上げても人間の眼で星までの
距離は測れないから、昔の人々が天空を
円いドームのようなものに思ったのは無
理もない。太陽系の兄弟たちを除くとす
ると、いちばん近い星でも4・2光年だ
という。太陽からみて、同じ銀河という
星の街の、まさにお隣さんなのに。
アインシュタイン博士の言ったとおり
光の速度を超えることはできないのだか
ら、その旅は人間にとって大冒険になっ
てしまうだろう。この星空は、数十年か
ら数千年、数百万年、そしてそれ以上の
旅をしてきた光たちの姿だった。
ピュアモルト山崎はこの地上で十二年
の旅をする。十二年は短いか。いやいや
宇宙では一瞬のような、たかだか百年の
命の人間には、このウイスキーを育てた
幾星霜が、いとおしく貴重なのだ。