『ユリイカ』11月号「特集*やくしまるえつこ」を、坂本が持ってきて。
「相対性理論」というグループの存在、やくしまるえつこの詩と歌声について
(日本の)CM音楽(史そのものともいえる)プロデューサーの大森昭男さん
に教えていただいたのは、もう2年くらい前のことでしょうか。
鈴木慶一、坂本龍一から、松岡正剛までを魅了した、その能力。(敬称略)
ふつう、ひとは、このように言語を(&声も)あやつることができません。
それは、コピーライターの養成講座や、筑波大学での特別集中講義などで
いつも、なんども言っていることです。
「ことばは、常識、ルール、平凡、連想の鎖に縛られている」ということ。
その鎖を断ち切るのが、いかにむずかしいかということ。
彼女はおそらく、本能的、かつ意識的、連続的、確信犯的に、それができる。
しかも、非連想ゲーム的なナンセンス、自動記述のたぐいとも違うようです。
これは、まれにみる能力といわざるをえません。
あえていうなら、ボブ・ディラン並み(!)です。
ドキュメンタリー映画『ノー・ディレクション・ホーム』で披露した
機関銃のようにタイプライターを打ち、嬉々として「ことば遊び」をつづける
ディランの、あの不思議な能力です。