シェークスピアの一行と
公衆便所の落書きは等価である。 寺山修司
この、挑発的にして、文豪沙翁に失礼極まりない「名言」は
じつは出典がみつかりません。・・・どうも私の創作のようです。
寺山の著作のどこかにあった気がする。
あってもおかしくないと思う。
十代の頃の私は、このように寺山に「挑発」されたのでした。
「詩」は、図書館の棚、詩集の頁にだけあるんじゃない。
書を捨てて、街で探せ、若者よ、と。
たとえば、地下鉄駅の伝言板(そんなものがあった時代)に
さようなら おとうさん
という、白いチョークの文字を見つけたとき
私はどうしようもなく胸を掻きむしられてしまいました。
この一行は、私にとって詩の一行と等価です。