2008年版「コピー年鑑」の特集ページ、翻訳家の岸本佐知子との対談で 「ボブ・ディランと村上春樹は、どちらが先にノーベル文学賞を獲るか」 という話をしましたが。本当になりました。つぎは春樹さんであることを祈りつつ。 自分で歌ってみたいと、訳してみたディランの「My Back Pages」。 歌う機会も、能力もないまま、PCのファイルに眠っていました。
あの日々よりも
紅い炎に あの日 身を焦がせ
転がり落ちた 罠に 身を悶え
燃え尽きる地図に 熱く 身を任せ
ああ それでも いまは
あの時代(とき)より 若く
難破する船に ふたり 気づくころ
すべての憎しみに 嘘に 夢に醒めて
兵士のような 白い 骨をみた
ああ それでも いまは
あの日々より 若く
少女の瞳も やがて 嫉妬する
褪せた歴史も いつか 繰りかえす
思いもかけず ひとは 振りかえる
ああ そうして いまは
あの時代(とき)より 若く
教授は語る いまも 昔のまま
それも自由と ひとは 平等と
あなたを愛し それも 自由ですか
ああ それでも いまは
あの日々より 若く
兵士は狙う いつも 標的を
敵は誰かと おびえ さまよって
船が出るころ やっと わかるだろう
ああ 生きてる きみは
あの時代(とき)より 若く
いのちは護る けれど 曖昧にする
ことばは描く 悪も 善もともに
かけがえのない いまを この日々を
ああ 生きてる 意味を
あの時代(とき)より 若く
ああ それでも いまは
あの時代(とき)より 若く
ああ それでも いまは
あの日々より 若く・・・