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一倉 宏

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2015/09/26 (土)
若者たちのことば
近年、大学生たちと接する機会が増えて、それを楽しみにしています。
自分のこどもよりも若い世代、最初はずいぶん距離も感じたけれど、
だんだん接し方にも慣れてくると、その声がよく届くようにもなってきて。

いつか、あるセミナーでのこと。
それは、学内の活動グループを顕彰するセレモニーでもあったのですが。
代表の女子学生が「いま、同調圧力が重苦しい。無言の締め付けを感じる」
という発言を、率直に堂々としていたのに感心し、励ましもしました。
また、ある男子学生の「僕らは、生まれたときからマイノリティでしたから」
という自嘲的な、けれど屈託なく笑う話しぶりも印象に残ったものです。
そのときは、ちょっと大袈裟で被害意識もあるのかな、と感じつつ。

相対的には恵まれた環境にいるはず、だから、ちょっと甘いのかな。
それが社会というもので、それに負けたらなにもできないよ。

けれど、彼らの、その感覚、その疎外感こそじつは正しく、
いまの社会の病弊を的確に指弾したことばであることに、
いまごろになって、気づいたのでした。おじさんは。

「もっと、言いたいことを言っていいんだ」 
ことばでする仕事についても、そう言ってきた自分なのに。

「言いにくい」社会をつくってしまったのは、この自分たちだった、と
いま、反省しているおとなたちは多いと思う。