大瀧さんを惜しみ、いま多くのことが語られていると思いますが、
ここではＣＭ音楽についての先駆者的役割を記しておきます。

おそらく、大瀧さんはCM音楽の可能性を自覚的に「遊び」、
それがどれだけ、後に続く（日本のPOPSを主導することになる）
アーチストたちを刺激したことか。そんな存在でした。
ＣＭ音楽は、当時の音楽市場よりずっと「実験的」でした。
だから、あれだけの才能たちが集まってきたのでしょう。

その大瀧さんの、原点は「三木鶏郎」にあったはずです。

三木鶏郎さんは、戦後の日本の放送・広告界において、
シンガーソングライター、脚本家、ＣＭプランナー、演出家、
アニソン、コマソンの作家、という多岐にわたる先駆者でした。
「くしゃみ３回、ルル３錠」という名作を残したコピーライター
でもあり、アニメ「鉄人23号」のオープニング・テーマから
「♪グリコ、グリコ、グリコ〜」のサウンド・ロゴまでもつくり、
初期ディズニー映画の日本語版音楽監督でもありました。

　＊三木鶏郎資料館

大瀧さんもまた、音楽とエンターテインメントに取り組む姿勢は、
ＣＭであれ番組であれ、ロックであれ音頭であれ、
どれだけ「自由」であったことか。

それを忘れずに、いたいと思います。