誠実かつ緻密な評伝で、はじめて知るエピソードもたくさんあります。けれど、それはただの事実発掘とか資料的価値だけでなく、なんというのか、著者が控え目ながら差し出している描線の大きさとか深さというもの。作家論の部分もあるし、広告論の部分もある。いままでにない開高像の焦点を結ぼうという試みと思う。開高さんのコピーと小説の間に、詩という補助線が見えたり。会社(壽屋=サントリー)を我が家と感じていたという分析も。
著者坪松くんとは、かつて同じビルの同じフロアで働いていました。
素晴らしい。敬服します。装幀は、葛西薫さん。
中島信也監督の誘いで、
ひさしぶりに
赤坂のKOKAGE へ。
マエストロの
メモリアルシートにて、
しばしの思い出語りを。
この席、なかなか、
占領する勇気は持てない。
けれど、
読後の熱気の
体内に残る夜だったので。