やれやれ。ほっとしました。やっとお披露目ができました。
アーサー・ビナードさんとの「お話」もたいへん好評でした。
サントリーホールで、あんなに笑い声が聞こえるのは珍しいのでは?
ビナードさんのスマートな日本語、ウイットに、みんな魅了されたかと。
ビナードさんが朗読してくれた詩、木坂涼さん(奥様)の処女詩集から。
17才のときに書かれたというその一篇は。
「わ。枕草子だ。まるで清少納言だ!」
清少納言って、どういう女性だったろう?
「夏虫。(中略)火ちかう取り寄せて、物語など見るに、
草子のうへなどに飛びありく、いとをかし」
の箇所を読み上げて、昆虫好きのビナードさんは・・・
「いい女だねえ」と。(笑)
『The Pillow Book』というタイトルで、世界に広まったこと。
「春はあけぼの」は、どう訳されているか。
ひらがなについて。詩について。
山村暮鳥の「いちめんのなのはな いちめんのなのはな・・・」は
英訳して横書きになると、だめになること。
ことばで描いた絵。ことばのデザイン。
ロン・パジェットの「Nothing in That Drawer」は
和訳して縦書きになると、だめになる。
Nothing in that drawer (ひきだしのなかになにもない)
Nothing in that drawer
Nothing in that drawer ・・・(これが14行つづく)
そういえば、ビナードさんが訳した「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」
Rain won’t stop me.
Wind won’t stop me.
これは、名訳だと思います。
ついつい脱線、道草もしましたが。
それも、『枕草子』らしい自由な楽しさかと。
ビナードさんと詩について、ことばについて話していると
楽しくて楽しくて、何時間でもつづきそう。
けれども、今回はトークショウではないので・・・「このへんで」。
お運びいただいたみなさま、ありがとうございました。
こんばんは。
コンサート、とても素敵でした。
スマートフォンやパソコンの毎日で、
言葉がカタチにしか見えなくなっていましたが、
あの日の夜は
ことばが音で、響きで、リズムで、
身体いっぱいにしみわたりました。
アーサーさんとのお話も本当に興味深かったです。
素敵な時間をありがとうございました。