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一倉 宏

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2011/12/24 (土)
2011年の 聖夜に

 変われる と思ってた こんどこそ

 世界が変わると 信じてたんだ
 だって世界が こんなに変わって見えたのだから

 変わらなきゃ と思った そのたびごとに

 受験に失敗したときも 失恋したときも
 会社に入ったときも 会社を辞めたときも
 戦争が終わったときも 戦争が始まったときも
 誰かを愛したときも 誰かが死んだときも

 こんどこそ 変わらなきゃ
 そう思った そのたびごとに

 ミュージシャンも CMも 大統領も 政治家も
 ずっと ずっと 言ってきたこと

  世界は変わる

 むかし 中国の皇帝が 学者たちに尋ねた
 「この世界で変わらないことはなにか」と
 学者たちは とまどいながら答えた
 「この世界は変わるということだけが変わらない」

 ぼくらは 変わるのか? 変わらないのか?

 たくさんのひとびとが 海に消えたこの春
 希望と未来のエネルギーが 溶け落ちたこの年

 その12月に もう
 ぼくらは笑って 酒を飲んでる
 みんな「年を忘れる」会で 騒いでいる