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一倉 宏

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2010/12/30 (木)
筑波大学のアイデンティティ

今秋、筑波大学の学園祭企画のひとつとして
「学生の撮影した、学生の写真に、学生がコピーをつける」
というワークショップをおこないました。
その成果が web に載せられていたのですが、経緯を含め誤解されたのか
ツイッターで、アーチストの村上隆さんや明和電機の土佐信道さん(卒業生)
まで発言する(ちょっとした)騒ぎになりました。
面白いと言えば面白いのだけれど・・・ね。
同じく協力スタッフのひとり、新井くんがまとめてくれています。

 たわいのない話

土佐さんの(後半の)コメントには膝を打ちました。
筑波の環境は、都内の大学に比べて「特殊な」ものです。

たとえば、こんなコピーは・・・
学生たちが短時間のワークショップで書いたものとして
なかなかのものだと考えています。

  東京との距離、嫌いじゃない。

  宇宙にも、自宅にも、一番近い大学。

  宿舎のお風呂で異文化交流。

一部に、やや自虐的なところもあったのが、誤解を生んだのかな。
しかし、自虐とは自己を批評的にみる精神に他なりません。
私たちはむしろ、その「健全さ」をよろこんだのでした。
他者と異なることの、客観的な、その「痛い」自覚なしには
アイデンティティとはシッポさえつかまえられないのだから。

 IMAGINE THE FUTURE.   開かれた未来へ。

コピーライターというより、同大の誕生期を知る1期生として。
なぜ、大塚・茗荷谷を離れ、筑波にキャンパスを移したのか。
なぜ、多くの国立大学教授会等から湧き起こる反対声明を押し切り
新たな法案までつくって「新構想大学」が設立されたのか。
学際、国際化を標榜する「開かれた大学」を目指したのか。
なぜ、学部・学科ではなく「学群・学類」なのか。

筑波大学は「ユニークな」大学です。
いまも、これからも、そうあって欲しいと願っています。