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2012/03/20 (火)
毎日広告デザイン賞発表

3月19日の毎日新聞(朝刊)に
第3部・広告主参加作品の部の選評を書きました。

  最高賞・グーグル

  この年の記憶とともに  選評・一倉宏

  震災を契機に痛感したのは、広告活動が平穏な日常の風景だった
 ということだ。緊張の中で空白期間は長くつづいた。企業として何
 かメッセージするにも、お見舞いという定型を超えた想像力と表現
 力の例は少なかった。このことは記憶されておくべきだ。そして、
 この年の新聞広告を評価するなら、やはりあの日付以降のもんもん
 とした体験を抜きには考えられない。個人的にはそう思っていた。
  もちろん作品の審査においてそれは与件ではない。公共と広告、
 パブリックとパブリシティーは重なり合う部分もあるが、それがす
 べてではないから。あくまで広告の賞であるなら、審査する目はい
 ろいろな角度から考える。本賞の伝統において、デザイン賞という
 意味も重い。それをどう考えるかも、問われた審査となった。
  結果として、最高賞に選出されたのはグーグルの「未来へのキオ
 ク」プロジェクトだった。評価されたのは、やはり表現として以上
 のアクションの意味だろう。ネットの特性を生かした活動が、新聞
 の公共性と融合したところにも時代性がある。
 (中略)部門賞も秀作ぞろいだが、小スペースながらヤマトホール
 ディングスのメッセージ広告に、あの日あのとき一読者として感銘
 を受けたことも忘れないだろう。