日本には、いまにも 破裂しそうな動脈瘤がある。 いっかい破裂して、とりあえず、 なんとか食い止めたことにされた。 食い止めたには違いないと みんな信じたかったから。
動脈瘤は、いつの間にかできた。 そんなことはないと、誰かが言った。 いい思いをたくさんしたんだろう? と、ほかの誰かが言った。 できることが減ると、愚痴るひともいた。 生活習慣次第で、そうなることは防げたようだった。 静かな怒りに、それは似ていた。
病んでいる。動脈瘤は、消えない。きょう新しい命が生まれても。