きのうの月は、なんという月。
たとえばそれは、
だれかが銀河につけていった、爪跡のよう。
蚊に食われたわけでもないのに、
なんてことをするんだ君。
あるいは、夜空のかまいたち。
夜空がぼんやりしているから、
鋭利な物でスパッとやられてしまった。
もれているのは、昼の光。
はたまた、片眼だけをうっすら開けて
こちらのようすを虎視眈々と伺っている
謎の世界征服参謀者。
こちらに寝返るなら、命だけは助けてやろう。
それから、薄ら笑いを浮かべる、口元にも似て。
そうだ、知らないひとにはついていっちゃいけない。
ぎゅっと親指を中に入れて、手のひらを握る。
きのうの月は、なんという月。
わかったひとは、コメントをください。