ずいぶん前だが、ＯＬをしていたことがある。
よく、やれていたもんだと、我ながら思う。
９０年代後半の、あの不況下に、
私を採用する気になったあの会社を憂う。
ごめんなさい。やってみたら、何もかもが、向いていませんでした。

待ち遠しい週末がやってくると、
「あした学校休みだよね！」と言い間違えるのはしょっちゅうで、
部長を先生と呼んでは、先輩社員の失笑を買い。
新人の大切な役目である「朝のお茶出し」では、
ひとりひとりに入れるべき砂糖やクリープの数は
決まっているのにもかかわらず日々だいたいで、
先輩社員のマイ・マグカップは、ひと月にいっぺん割った。

同期入社の女子社員は、５人だった。
私たちにはふしぎな結束感のようなものがあった。
東女と立教大がいたので、
なんでそんな優秀なひとがこんなところにもったいないと
私が話していた別の同期は、慶応だった。
みんな頭がムダによかった。
社会人としては微妙だった。

つづく