水田真理さんを、
近ごろよく見かけるようになった。
水田さんと私は、古いつきあいなのだけれど、
私たちは会ってもお互いを懐かしんだりしない仲だ。
わたしも、もう大人なので、
彼女とは距離を置きたいと思っているし、
水田さんも、「おすまし」を決め込んでいる。
冷たいひとだと思われても、しかたない。
水田さんはそういうひとなの。
とんだり跳ねたりするから、子どもは、にがて。
アメンボも、こっちにこないで。
雨上がり、よく晴れた日。
水田さんは、とてもきれいだ。
そら色のスカートは、流れる雲の柄。
そよ風がその裾をやさしくゆらして、
水田さんはいつものようにそっと、
おひさまに胸を焦がしてる。
今朝は、あそこにいたのだけれど。
午後の打ち合わせに出たときには、
もうとっくにどこかにいってしまっていた。
じゃあ水田真理さん、どこかで、また。