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坂本 和加

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2010/12/22 (水)
きらいきらいクリスマス

クリスマスより、
クリスマスイブのほうがどうやらたいせつな日。
ということに気がついたのは、
たしか幼稚園のときだった。

その日から、ずっと
私のお誕生日は「クリスマスイブ」にかき消されっぱなしで、
それは、まさに目の上のたんこぶだった。

街全体どころか、家中の盛り上がりも、
なとなくクリスマスイブまっしぐらであることも気にくわないのだけれど、
そのことに対する不満とさみしさをうまく伝えられず、
一方で伝えてはいけないような気もして、
なんとなくちいさくなっているしかなかった。

当日ともなれば、
まるいケーキが2コでないことはもちろん、
お誕生日おめでとうプレートが「メリークリスマスわかちゃん!」
になっていたこともあるし、もっといやだったのは、
兄や姉にも同じ内容のプレゼントが渡されることだった。

でも、けっきょくそういう私の主張も
「まあいいじゃないか、クリスマスイブなんだから」
ということで片付られてきた。
その日は、ずっと前からわたしのお誕生日だったはずなのに。
前日からその日をアピールするイエスの誕生日は、
なんて出しゃばりなんだろう。

それから、サンタさんに関しては、
早くから「おとなのウソ」を見破っていた。
父がサンタの演出を怠けがちな家であった、
というのもあったけれど、
もしほんとうのサンタさんだったら、
お誕生日の女の子にあげるプレゼントに「色」をつけるはずだ。
と思って、そうお願いしたのに叶わなかったから。
(この話をしたら、小学校の友達は泣き出した。)

けれど、クリスマスイブに生まれて。
いいことがあった? と、もしだれかに聞かれたら。
それは、私のことを知ってくれているひとたちが
生まれた日を忘れずに覚えていてくれることじゃないかなと思う。

きらいきらいクリスマスイブありがとう。