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坂本 和加

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2014/12/04 (木)
ことばのはじまり

子どもを育てているから、

言葉の獲得がどんな風であったかを目の当たりにできる。

それがすごくおもしろい。

はじめに、聞くこと。たくさん繰り返されること。
いちばん多く繰り返されるのは、自分のなまえ。

「なゆちゃん」は、自分のこと。ごはんは、「おいしい」。

理解より、発語の方はずっと後だ。

多くの子どもの、さいしょのことばは、ワンワン。

4つ脚の生きものは、猫もゾウも、みんなワンワン。

くり返し伝え直されて、猫はニャーニャ。ゾウは、ゾウになる。

むずかしい言葉の並びは、1語で話す。

「ご」は、りんご。「み」は、「耳」「みかん」「紙」・・・。

耳に残る音を、見たままに話す。

だんだん、1語から単語になっていく。1語文になる。食べ物の名前はよく覚える。

「はい」や、「やだ」も覚えていく。

そのうち、思ったことを話すようになる。
そのほとんどが伝わらなくて、やきもきする。
2語文になる。「おとーさん いない」そんな風に。

色の名前、数の概念。文字というものも、なんとなくわかってくる。

大きい小さいや、左と右、そんなことも。

プチトマトの「ホネ」は、へたのこと。魚の「たね」は、ホネのこと。

間違えながら、覚えていく。

何かを伝えたくて、覚えていく。

すごいなあと思ったのは、
街を歩く犬、大きいのや小さい犬、見た目がはげしく異なる犬、
Eテレに出てくるワンワン、えほんの犬、グーフィーもプルートも、
みんな、同じ「犬」なのだと、理解していること。

あとで本を読んだら、「同じ」という概念は、人間にしかないそうだ。