我が子を抱いてはじめて、
無垢というほんとうの意味を知った。気がした。
無垢というのは、どこまでも清らかに、そのまなこが澄んでいること。
と、マイ辞書を上書きした。
そしてあるとき、気づく。
好物のものを、実にゆっくり食べていることに。
おお、賢いねこの子は、ゆっくりたべたらなくならないねえ!
なんて親ばかをかまして、一息つき、ハッとする。
赤子の目は、もはや澄みきってはいなかった。
なにか邪(よこしま)なものが宿っていた。
注意深く観察していたはずの2番目の娘も、
ある日、まったくおなじ風だった。
ヒトが、知恵の実を食べるのは、10ヶ月くらい。そこまでは無垢。と加筆。