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坂本 和加

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2012/01/03 (火)
忘れない

忘れないで とあの町で 彼女は言った
忘れられることが いちばん こわいのだと

わかったと うなずいた後で
なぜそんなことを言うのだろうと 考える

忘れられることは さみしい
それから 忘れられるということばは
忘れてしまう側からは ぜったいに発信されない
どうしようもない深い悲しみを背負っている
苦しくて とても重い

あの日から だれもが 
そのどっちかに 身を置くことになった

かかわりの大小もあるだろう
けれど
忘れるはずなどないと 

だれもがそう言う いまだから