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坂本 和加

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2012/04/20 (金)
カバーおじさん

書店で求めた本につけてもらった
カバーがもたもたして、どうも具合が悪い。

やっぱり、本のカバーは、あのおじさんでないと。

そのおじさんにつけてもらう本のカバーは、最高だった。
つけるときは、てきぱきとはさみを使い、
まさに「目にもとまらぬ早業」だったし、
つけている間も、しっくりと実に本とよくなじむ。
特に文庫本なんかは、もしかしたら本物の
カバーよりも、カバーらしくて、取り外すのをためらってしまう。
そのくらい、カバーおじさんの仕事ぶりはほんとうに完璧だった。

書店のあった街からは引っ越してしまったけれど、
あのカバーおじさんは、まだあの書店にいるだろうか。
本が売れなくなったことを、やっぱり嘆いているんだろうか。