ちかごろの天気予報と来たら
あたりすぎて　よろしくない。

雨は朝のうちにあけて　昼には晴れ間も　のぞくでしょう。

ああ　きょうもたぶん　まったくそのとおりだ。
液晶画面のむこうの　かわいいお天気お姉さんは
きのうと同じように　にっこり笑って　天気予報を　
きっちり　予測してしまうんだ。春一番の吹く　その日まで。

ごめん　きょうは　オフィスから一歩も出られそうにない。
けれど　ふきのとうは　もう食べたし、
庭の梅の木には　ちゃんと　メジロがきてる。

帰ってテレビをつければ　
過ぎ去った春風の話題はとっくに終わっていて
もう　明日の予報をやっていた。

明日はいちにち　ぐずついた天気でしょう。

うん　まったくそのとおり。あしたは傘がいる。
だって　夕暮れに見かけた猫たちは
念入りに　顔をあらっていたから。

天気予報が　はずれるのを　さいごに見たのはいつだろう。
テレビが　まだブラウン管のころ
照れくさそうに　はずれちゃった天気のことを　
謝ってたひとは　たしか男のひとだった。

はずれちゃったけど　なんか　よかったですね。
みたいな空気が　うちの茶の間にもながれたんだった。

最近の天気予報は　あたるからな。
どこかでだれかが　そんなふうに言っていたのを聞いてから
わたしはあまり天気予報を見なくなった。