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坂本 和加

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2010/10/15 (金)
ことばのみため?

10代で読んだものはそう多くはないけれど、
そのほとんどが、もうとっくに死んだだれかのものだった。

ただことばが並んでいるだけなのに、
それはとても きれいだった。
それはとても よくわかる ものだった。
声に出してよんだりもした。
こんなみごとなことばの「ならび」を、
このひとは、いったいどこからつかまえて、きたんだろう。
さぞかしすてきなひとだったんだろう。
こっちの、ひともまた、きっとそうだったにちがいない。
少女の私は、そんなふうに思うだけの日々だった。

やがて、私はそれを知ることになる。
ある日ふと手にした本の中に。
インナーネットの画像検索の先に。

あるひとは、まがったキュウリで、
またあるひとは、ちょっとシャクレていました。

このひとが、こんな顔じゃこまるんです。
うそ、まさか。できれば一生知らずに生きていたかった・・・。

ひとはほんとうに、みためが9割なのだろうか。
だとしたらわたしは「あなたのことばのみため」が、すきだったのか。
うそだ、わたしはあなたをすきだったはずなのに。