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坂本 和加

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2010/08/19 (木)
いいエンジンを、つんでることば

老人は、しばらくそのことばを眺めていた。
それから、こちらを振り返って
「いい、エンジンをつんでいますね」と、言った。
なるほど、こういう感覚を、そんな風にいうのかと
わたしは感心して、改めてそのことばを眺めてみると、
ことはが風をきって走っていた。

「これなら、どこまででも行けそうです」
わたしは嬉しくなって振り返ったのだけれど、
そこには、とっくに老人の姿はなかったんだ。