サイモンとガーファンクル、1970年のビルボード年間No.1アルバム。 1曲め、名曲「明日に架ける橋〜Bridge Over Troubled Water」 2曲め、これも大ヒットした「コンドルは飛んでゆく〜El Condor Pasa」 3曲め、美しいハーモニーの「セシリア〜CECILIA」 で、4曲めに「KEEP THE CUSTOMER SATISFIED」という曲がある。 これはビジネスの世界では、いまでもよく使われる言葉だけど。 20代のポール・サイモンが、音楽「ビジネス」について皮肉を込めて 自己言及した言葉、と読み取っても、間違いじゃないだろう。 「靴を磨くヒマもなく 国境を越えて ・・・もうクタクタだ お客を満足させ続ける そのために」というような歌詞だった。 もちろん、このレトリックは、あらゆる「ビジネス」に従事する人々に シンパシーを持って受け取られるもの、でもあったはずだ。 続いて「SO LONG, FRANK LLOYD WRIGHT」 さようなら、フランク・ロイド・ライト。 あなたがいなくなって、あなたの「song」を聴けなくなって、僕は淋しい。 米国人にとって別格の存在だとしても、それにしても建築家の名が ポップスの歌詞に、テーマになるなんて、やはり驚きだった。 5曲めに、これも大ヒットした「THE BOXER」の歌詞から。 All lies and jest Still, a man hears what he wants to hear And disregards the rest 「あらゆる嘘やヨタ話 人はただ 聞きたいことだけを聞いて それ以外は聞く耳を持たない」 1970年の、あの貧しい少年ボクサーは、強烈な言葉のパンチを いまの時代のみぞおちにも、打ち込む。