20世紀、最後の年。
「シャープは、すべてのテレビを液晶に変えていきます」
当時、この宣言は大胆すぎるほどのものでした。
ブラウン管テレビの事業部の反対を押し切って、と聞いています。
世の中的には、単なるコピーの一文としか思われなかったでしょう。
ブラウン管テレビは20世紀の一大発明で、技術も成熟していたけれど、
それは巨大な「真空管」に違いありませんでした。
まさに最後の「真空管から半導体へ」の転換がはじまったのです。
この「目の付けどころ」こそ、シャープのアイデンティティーでした。
そしてその転換は、10年後には地球規模まで広がったのです。