筑波大学のシンポジウム「T-ACT 2013」にて
「18才の僕と 58才の私」という題の講演をすることになっていて
ささやかなこの人生を振り返っています。
小学生の頃、憧れた職業は「カーデザイナー」だった。
1960〜70年代の国産車なら、いまでもぜんぶ名前をいえる。
それから「シンガーソングライター」とか「詩人」とか。
高校時代のガールフレンドには「貧乏学者になって」といわれた。
なんで「貧乏」がつくのかわからないけど。
大学3年のとき、10年落ちの初代カローラを6万円で譲ってもらう。
日本文学を専攻し、万葉集と言霊についての卒論を書いた。
ここで学者への道とは別れ、社会に出て働くことを選んだ。
職業、会社員、コピーライター。
歌の別れ、学問の別れ。
そうして40年が過ぎたいま、母校や多摩美大で非常勤講師をする。
多摩美では「広告コピー論」、所属はグラフィックデザイン研究室。
研究室のあるデザイン棟にいくと、プロダクトデザインの学生たちが
課題の作品づくりに取り組んでいる。大変だけど楽しそうと思う。
プロダクトデザインのフロアには「コンセプトカー」の展示もある。
それがまたカッコよくて、小学生に戻ったみたいに憧れる。
今年、TOYOTAの仕事で
「ジーンズになった、カローラ。」(カローラハイブリッド)
というコピーを書いた。
デニムをまとって銅のリベットまでつけてもらって
ほんとうに「ジーンズになったカローラ」が・・・
いま東京モーターショーのTOYOTOWNに展示されています。
「12才の僕」が知ったら、どんな顔をするだろう?