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一倉 宏

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2011/10/25 (火)
新聞広告の日の広告

10月20日、新聞広告の日。
朝日新聞は、特集ページに岡康道と坂田耕一郎さんのインタビュー。
読売新聞は、夕刊で「白地の広告」特集。
毎日新聞は、中面に30段のメッセージ広告を掲載しました。

  そのとき 
  ことばは なすすべもなく立ちつくしていた。
  ことばは じぶんの無力を感じていた。

  ことばは がれきをかたづけることができない。
  ことばは おなかをみたすことができない。
  ことばは 電気をつくることができない。
  ことばは 病気をなおすことができない。
  ことばは 寒さをしのぐことができない。
  ことばは なにができるだろう。

  ことばは はなればなれの家族をさがした。
  ことばは ご近所のきずなをつないだ。
  ことばは やりきれない怒りをつたえた。
  ことばは 満開の桜の下でかわされた。
  ことばは 日々のくらしをとりもどそうとした。
  ことばは それでも忘れることはない。

  ことばは けっして忘れたりはしない。
  ことばは もっとはたらかなければならない。
  ことばは がんばろうというだけではたりない。
  ことばは もっとできることがあるにちがいない。

  ことばは ひとびとの数だけある。
  ことばは ひとびとの日々の数だけある。
  ことばは ひとびとの日々の気持ちの数だけある。
  ことばは この国のいたるところにある。
  ことばは ひととひとをつなげなければならない。
  ことばは 過去を忘れず伝えなければならない。
  ことばは 未来について語らなければならない。

  ことばは 語ることをやめない。

   *画像を works に UP しています。